平成29年11月13日
日越大学の大学院生に対する横浜港見学会を開催しました
日越大学の大学院生に対する横浜港見学会を開催しました
JOPCA 企画委員 藤田 佳久
はじめに
 日越大学(Vietnam Japan University)は、我が国の協力の下、一昨年の9月にハノイで開学しました。国の発展を担う優秀な人材育成を目的としており、ベトナムだけでなく世界各国の学生に門戸は広げられています。まず第一弾として、修士コース6コースが開設されました。
 そのうちの一つが社会基盤コースです。1期生がベトナムでの1年間の修学を終えた後、昨年9月から12月までの3か月間、日本でのインターンシップ研修のため来日しました。その機会を捉え、社会基盤コースの学生に我が国の港湾の現状と経験を学んで頂くため横浜港の見学会を企画しました。
見学会の概要
 見学会は、国土交通省港湾局、関東地方整備局港湾空港部、横浜市、国際協力機構のご協力の下、昨年の11月13日(月)に実施しました。参加者は日本で学んでいた社会基盤コース修士2年生6名のうちの5名です。日本滞在中は、日本の大学の研究室で学んでおり、5名の受入先は4名が東京大学、1名が筑波大学です。なお、社会基盤コースの日本側の責任者は東京大学工学系研究科社会基盤学専攻の加藤浩徳教授です。今回の見学会の実施になって色々ご指導を頂きました。
(講 義)
 午前中は我が国の港湾について学んで頂くために2つの講義を用意しました。まず、「我が国港湾の制度と戦略」と題し、国土交通省港湾局の奥田国際調整官から、港湾の役割、港湾制度、開発戦略等についてご説明頂きました。
 続いて「横浜港の概要」と題し、横浜市港湾局賑わい振興課の丸山課長補佐から、港湾管理者の役割、開発の歴史、横浜港の現状と課題、港湾の経済効果、みなとみらい21開発などについてご説明頂きました。両講義とも学生は非常に熱心に聴講し、多くの質問が出て、講義時間が足りなくなる状況でした。昼食は、港が一望できるホテルのレストランで取りましたが、その間も質問が続きました。
(現地見学)
 まず、関東地整京浜港湾事務所の港務艇「たかしまII」に乗船させて頂き、川田所長の案内で横浜港を船上から見学しました。特に、最新のコンテナターミナルである南本牧ふ頭の建設事業について詳しくご説明頂きました。学生は、横浜港の規模と施設に圧倒される一方、快晴下での航海を楽しみました。
 その後、本牧ふ頭BCコンテナターミナルの運営状況を管理棟から見学しました。学生は、世界一の効率を誇るガントリークレーンの荷役に驚くとともに、最新のコンテナターミナルに対する関心が高く、此処でも質問が途切れることはありませんでした。
おわりに
 昨年12月、ハノイでJOPCA主催の港湾セミナーを開催しました。横浜港見学に参加した学生は既にベトナムに帰国しており、港湾セミナーに元気な顔を見せてくれました。平成27年に閣議決定された「開発協力大綱」においては、自立発展に向けた協力として、「人づくりや経済社会インフラ整備、法・制度構築等を重視する」と謳われています。JOPCAとしても、その重要な役割のひとつである、開発途上国の人づくりと我が国との人的ネットワークづくりに、引き続き取り組んでいきたいと考えています。
 最後に、ご協力いただいた国土交通省港湾局、関東地方整備局港湾空港部、横浜市、国際協力機構の皆様に心からお礼を申し上げます。