平成30年11月7日
第9回JOPCAセミナーを開催いたしました
技術基準の国際化セミナー・第9回JOPCAセミナーの開催
JOPCA企画委員        
(株)オリエンタルコンサルタンツ 
樋口 嘉章    
 2018年11月7日、土木学会の国際センターとの共催で、国土交通省の後援を得て第9回JOPCAセミナー「技術基準の国際化セミナー ~港湾での取り組みを中心に~」を開催した。会場は共催団体である土木学会の講堂で、通常のJOPCA単独での開催より幅広い分野から約100人の参加があった。
 冒頭、須野原豊土木学会副会長の開会挨拶に続き、筧隆夫国際センター次長より、初めて技術基準の国際化をテーマにセミナーを開催する趣旨の説明がなされた。
須野原 豊 土木学会副会長 筧 隆夫 国際センター次長
 初めに、国土交通省港湾局技術企画室の森信哉技術監理室長より、「国土交通省の技術基準国際化への取り組み」と題して、現在同省が港湾分野で進めている日本の技術基準の海外展開について、二国間協力、国際航路協会(PIANC)その他の国際機関・国際会議等、港湾技術基準英語版の作成、海外技術基準の研究など様々な取り組みを進めていることが紹介された。
森 信哉 国土交通省 港湾局 技術企画室 技術監理室長
 次に、国土交通省国土技術政策研究所港湾研究部の宮田正史港湾施設研究室長より、「『港湾の施設の技術上の基準・同解説』の国際化へ向けて ~現状・課題・今後~」と題して、ベトナムにおいて進めている港湾の技術基準作成の支援を進めてきた経験の中で、苦労したこと・学んだことについて報告がなされた。さらに、現在進めている今年改訂された「港湾の施設の技術上の基準・同解説」の英訳版について、海外で使いやすいように「利用の手引き」をあわせて作ることを検討していることが紹介された。
宮田 正史 国土交通省 国土技術政策総合研究所 港湾研究部 港湾施設研究室長
 三番目に、(株)日本港湾コンサルタント海外事業本部の山本良海外業務部長より、「各国の技術基準の適用例ならびに港湾施設の設計事例」と題して、パプア・ニューギニア、フィリピン、シンガポール、インド、カタール、エジプト、モロッコの7か国8事例について、それぞれのプロジェクトでどのような技術基準が使われているかについての報告がなされた。
山本 良海 (株)日本港湾コンサルタント 海外事業本部 海外業務部長
 さらに、休憩後に、(株)エコー事業本部国際事業部の伊藤雅文技師長より、「日本の技術基準とユーロ基準による鋼管矢板の設計例」と題して、フランス語圏アフリカの円借款事業の設計において、鋼管矢板岸壁の設計を日本とフランスの技術基準で行って比較した事例について報告がなされた。
伊藤 雅文 (株)エコー 事業本部 国際事業部 技師長
 最後に、国際圧入学会の日下部治会長より、「日本発技術の国際展開事例」と題して、我が国で開発された地盤改良技術である深層混合処理工法や圧入工法(矢板・鋼管杭等を油圧で静的に押し込む技術)を例に、日本で開発された技術を海外に広めていく際の経験について話をされた。海外に日本発の技術を広めていくには、産官学が一体となって、基準を作り工法の実績を積み上げ、さらには英文の専門書やハンドブックを作り、さらには海外セミナーなども行って、情報発信していくことが重要であることを述べられた。
日下部 治 国際圧入学会 会長
 5名の発表後、活発なディスカッションが行われた。
 最後に、JOPCA元理事で(一社)海外運輸協力協会の鬼頭平三会長から、今後もこのようなセミナーを開催して会員相互の知見の交換を進めていきたいとの閉会挨拶があった。
 セミナー終了後、JOPCA主催で、約40名の参加を得て意見交換会が開催された。
当日プログラム