平成17年9月20日～21日、中国瀋陽市で開催された「第14回北東アジア経済フォーラム瀋陽会議」で、長年にわたり同フォーラムに出席協力して、関係各国の経済発展に尽力した功績を称えられ、JOPCA環日本海交流勉強会座長　和田善吉氏が表彰を受けました。同フォーラムは、1990年中国長春で開催された第1回会議で、「図們江開発」を提唱したことで有名で、その後、北朝鮮の羅津・先鋒地区経済特区を作った1992年の平壌会議などを主催し、北東アジアの開発と輸送回廊の活性化に大いに貢献して来ました。参加国は日本・中国・韓国・北朝鮮・ロシア・モンゴル・米国です。

表彰状と授与された翡翠の彫刻（連井海魚）

お礼の挨拶（2005・瀋陽会議）

只今は思いがけずも感謝状を頂戴いたしまして、本当に有難うございました。身に余る光栄と、感激新たなる所でございます。

この会議の第1回目は、1991年の長春・天津会議とされていますが、実はその前年1990年7月、中国の宋健先生とフォーラムの趙議長が長春で開かれた会議がございました。この会議は、吉林省の貨物を図門江利用により日本海に出海させようという意図で開催されたもので、第1回図門江会議と呼ばれていますが、私は金森先生のお供をして、この会議から出席させて戴きました。

顧みますとそれから15年、現在では中国貨物の中継港として、北朝鮮の羅津港やロシアのザルビノ港、ポシエット港が利用されるようになりました。当時の状況から考えると、全く隔世の感がするわけでございます。

そしてその間、私共は北東アジアの輸送回廊という視点から9本の回廊を特定して現地調査し、現状分析と問題点を指摘して参りました。しかし物流問題はこれで終わったわけではありません。我々は諸問題解決のための実行組織として「北東アジア輸送回廊ネットワ―ク」NPO法人を昨年末発足させました。日本海側港湾と対岸とを結ぶ航路開設のため、我々は更なる努力を継続しているところでございます。

北東アジア経済フォーラムは、1991年の長春・天津会議以来、平壌、ウラジオ、韓国竜平、新潟、ホノルル、ウランバ―トル、米子、天津、長春、アンカレッジ、新潟、ソウル、そして今回の瀋陽と14回の会議を重ねられ、物流問題からグランド・デザイン、エネルギ―、環境、ITと北東アジア全体の抱える広大な、そして基礎的な問題に視点を移し、北東アジアの先導的パイオニアとして、益々その存在感を強められていることに深甚なる敬意を表する次第でございます。今後、このフォーラムが、益々発展されますと共に趙議長初め参加各国皆様のご健闘を心より祈念いたしまして、御礼の言葉に代えさせて戴きます。

有難うございました。

（2005・9・21　和田　善吉）

北東アジア経済フォーラム開催一覧

（注）：（括弧）は、北東アジアに関連する和田善吉の主要な活動記録